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飲む点滴「甘酒」から乳酸菌摂取で腸活!作り方・期待できる効果は?

ここ数年、健康飲料として注目される「甘酒」も乳酸菌を多く含むヨーグルトと同じ発酵食品です。甘酒は乳酸菌を増やしたり、腸内環境を整えたりする働きがあると言われています。

今回、甘酒は乳酸菌を増やすのか、加熱してもいいのか、腸活におすすめの甘酒の種類など乳酸菌と甘酒の関係や健康効果についてご紹介します。

甘酒とは

甘酒はお米から作られる甘味飲料で発酵食品の一つです。
同じお米から醸成する飲み物に日本酒があることから、「酒」の字が名前に入っていますが、甘酒はお酒ではありません。

甘酒は温かい飲み物、冬の飲み物というイメージがありますが、実は、夏にこそ飲みたい飲み物。夏の疲労の回復や食中毒などの疫病の予防に効果があるということで、江戸時代に夏の飲み物として庶民に広がりました。

甘酒での乳酸菌摂取

甘酒は麹菌の発酵によって作られた発酵食品ですが、乳酸菌も含まれています。

甘酒には、酒粕から作るものと米麹から作るものがあり、酒粕にはもともと、日本酒を作る過程で乳酸菌が含まれています。米麹を使って甘酒を作る際には、空気中を漂っている乳酸菌や私たちの皮膚などに付着していた乳酸菌が混入し、麹菌が発酵して作った糖を分解しながら乳酸菌が増えるので、甘酒からは乳酸菌も摂ることができるのです。

甘酒で腸内環境改善~乳酸菌を増やす~

甘酒は乳酸菌を増やし、腸内環境を整えたり改善したりするのに効果的だと言われます。腸内環境を改善するとは、腸内細菌のバランスを整えることです。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やすには、善玉菌を含む食品を摂取するか、善玉菌のエサとなる食品を摂取するかのどちらかです。

甘酒には、このどちらの役割もあると言えます。植物性乳酸菌の摂取によって、腸内の乳酸菌を増やすことができますし、善玉菌のエサとなるオリゴ糖と食物繊維を含んでいるので善玉菌を増やす助けとなります。

食物繊維には、水溶性食物繊維(水に溶ける)と不溶性食物繊維(水に溶けない)の2種類あり、その働きに違いがあります。善玉菌のエサとなるのが水溶性食物繊維で、不溶性食物繊維は便のカサを増やしたりすることで腸の蠕動運動を促し便秘の改善に役立ちます。便が溜まらずに排出されることで悪玉菌の増殖を防いで腸内環境を整えるのを助けるのです。

甘酒の原料となる米麹には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも含まれ、酒粕には不溶性食物繊維が含まれています。酒粕には水溶性食物繊維が含まれていませんが、同じような働きをするレジスタントプロテインというタンパク質が含まれています。

甘酒の作り方

原材料が米麹でも酒粕でも、どちらも米を麹菌で発酵させて作りますが、作り方が違います。

【米麹から作る甘酒】
炊いたお米に米麹と水を加えて保温し、麹菌を発酵させて作る。
麹菌で発酵させながら作るので、できあがるまでに半日以上の時間がかかります。

【酒粕から作る甘酒】
米と米麹を発酵させ、日本酒を作る過程でできた酒粕に、水と砂糖を加えて作る。
甘酒は既に発酵済みの物を利用するので、思い立ったらすぐに作って飲むことができるという気軽さがあります。

原料が米麹か酒粕かによる甘み・アルコール分の違い

米麹を使った甘酒は、麹の酵素が米に含まれるでんぷんを糖に分解することで甘みがでるので、砂糖は一切使いません。

これに対して酒粕で作る甘酒は、砂糖で甘みをつけます。日本酒を作る過程で麹菌がでんぷんを分解して作った糖は、全てアルコール発酵に消費されるため、酒粕には糖分が含まれていないのです。

他にも、米麹で作った甘酒はノンアルコールであるのに対し、酒粕には少量のアルコール分が含まれているので、子供や妊娠中の女性が飲む場合には注意が必要だという違いがあります。

腸活には加熱してない米麹の甘酒がおすすめ

甘酒は温めて飲んでも、冷たいままでも美味しくいただけますが、甘酒に含まれている酵素やビタミン類は熱に強くありません。60℃以上の温度になると酵素などの成分は壊れてしまいます。甘酒に含まれる乳酸菌も熱に弱く、加熱すれば死滅してしまいます。

そこでおすすめなのが、米麹の甘酒です。
酒粕で作る甘酒にはアルコールが含まれるため、子どもや妊婦、お酒が苦手な方が飲む場合には加熱してアルコールを飛ばす必要があります。しかし、米麹を使った甘酒であればアルコールが含まれないため、加熱せずに飲むことができます。

甘酒に含まれる乳酸菌は胃酸に強い植物性の乳酸菌ですから、米麹を使って自家製で作った甘酒であれば加熱せず、そのまま飲むことをおすすめします。乳酸菌が生きて腸内に届いて善玉菌となり、よりスピーディーに整腸効果が得られますし、麹菌が作り出した栄養や成分も丸ごと摂り入れることができます。

ただ、甘酒を加熱して飲むと効果が期待できないわけではありません。乳酸菌を増やして腸内環境を改善する効果については、加熱しても問題はありません。死菌であっても腸内環境を改善する効果が高いことは変わりません。甘酒に含まれるオリゴ糖や食物繊維も加熱で損なわれることはないので、甘酒を温めて飲んでも健康や美容への効果は期待できるでしょう。

米麹で作る甘酒のレシピ ポイントは温度

米麹の甘酒は、大きめの魔法瓶を使用して自宅でも簡単に作れます。

1.鍋に米麹の1.2倍の量のお湯(65℃)を沸かす(例:米麹250gなら300cc)
2.魔法瓶に1とは別に用意したお湯を入れ温めておく
3.1のお湯に米麹を入れ65℃まで温度を上げる
4.魔法瓶のお湯を捨て、3で作った麹を入れる(60℃)
5.8時間ほど放置し、麹の粒がなくなり、おかゆ状になったらできあがり

甘酒を作る際の温度は55~60℃。
4で魔法瓶に入れた時、しっかり温度を測ること。
60℃よりも高いと麹菌の繁殖は弱まる。
70℃以上に上がると酵素が働かず酸味が強い甘酒になる。
50℃程度に下がっていると、米麹の粒が硬い甘酒になる。

甘酒がすっぱい?失敗の原因は乳酸菌による発酵?

甘酒を手作りした際に、酸っぱい甘酒ができてしまい失敗した場合、乳酸菌が関係している可能性があります。
甘酒には乳酸菌が好むブドウ糖やオリゴ糖が含まれているため、甘酒を作る際の温度が高すぎると酵素はうまく作用しなくなるのに、乳酸菌による乳酸発酵がすすんで酸っぱい甘酒ができあがってしまうのです。甘酒は乳酸菌を含む飲み物と言えますが、甘みを楽しむ飲み物であって、乳酸菌の発酵が進んで酸味が強くなると、美味しさが損なわれてしまいます。
そのため、味や品質保持のために、市販されている甘酒は発酵が十分に進んだところで一旦加熱して乳酸菌を死滅させてしまうので、甘酒に含まれる乳酸菌はそれほど多くはないというのが実情です。

甘酒の保存

室温20~30℃に常温で置いておくと2、3日で酸っぱくなります。
そのため、甘酒は冷蔵か冷凍で保存します。
保存可能期間は、冷蔵で約5~7日、冷凍で約3ヶ月です。

甘酒の保存期間を長くする方法に「火入れ」があります。
70℃で10分くらい加熱することで雑菌の繁殖を抑えて保存期間を長くすることができます。火入れを行った甘酒は、冷蔵で2週間~1ヶ月保存できます。

飲む点滴「甘酒」の栄養

甘酒の作り方や商品によって違いはありますが、甘酒には、次のような栄養が含まれています。

  • ブドウ糖
  • カリウムやナトリウムなどのミネラル
  • 葉酸を始めとするビタミンB類
  • 食物繊維
  • 麹由来のアミノ酸
  • 米麹由来の消化酵素
  • オリゴ糖

甘酒に含まれる栄養は体への吸収率が良いという特徴がありますが、特出すべきは、麹菌が発酵過程で作り出すアミノ酸です。甘酒には脳や血液などの体中の細胞を作るのに欠かせない、必須アミノ酸の全てが含まれています。私たちは体の中で必須アミノ酸を生成することができないので、必須アミノ酸やさまざまな栄養が一度に摂れる甘酒は非常に体に良く、「飲む点滴」とも呼ばれています。

甘酒のカロリーに注意!

麹菌による発酵食品の甘酒は植物性乳酸菌も摂取できる飲み物で、腸内環境の改善にも効果的ですが、ヨーグルトや乳酸菌飲料、乳酸菌サプリほど多くの乳酸菌が摂れるわけではありません。

甘酒だけから乳酸菌を摂ろうと考えると、量を多めに甘酒を飲むことになります。甘酒のカロリーは100gあたり約80kcalあるため、カロリーオーバーに繋がってしまうので、無理をして甘酒だけを頼りにするのはやめましょう。
カロリーなどを気にせずに乳酸菌を摂れるのはサプリメントです。

甘酒とヨーグルトを混ぜて「甘酒ヨーグルト」に!

甘酒の整腸効果をより高めたいのなら、甘酒とヨーグルトと一緒に摂る食べ方が効果的です。甘酒には腸内の乳酸菌を増やす効果がありますので、乳酸菌が豊富なヨーグルトとあわせることで、より効果をパワーアップさせることができるのです。
食べ方はお好みの量の甘酒をヨーグルトに混ぜるだけと、簡単です。米麹の甘酒であれば、自然の甘みが砂糖やはちみつ変わりの甘みをつけてくれますし、ヨーグルトよりも甘酒を多めにして、シリアルなどにかけても美味しくいただけます。甘酒とヨーグルトの甘みと酸味は食欲のないときでも食べやすいので、2つの発酵食品を組み合わせて、効果的にお腹から健康を目指しましょう。

腸内環境改善以外にも甘酒に期待できる効果4つ

甘酒の原料の一つである米麹は、米を蒸したものにコウジカビなどの麹菌を繁殖させて作ります。米麹も近年、旨味が強く健康効果の高い調味料として人気が出ていますが、米本来の栄養や麹菌が作り出した成分、乳酸菌が摂れる甘酒には、次のような健康効果が期待できます。

効果1. 疲労回復を促進する

甘酒に含まれる吸収率の良い糖分はスピーディーに体のエネルギーになりますし、麹菌の発酵によって作られたビタミンB類やアミノ酸は、体力を増強させる効果があります。ナトリウムやカリウムなどのミネラル、水分も摂れるので、熱中症の回復にも適していますし、消化酵素が消化や栄養の吸収を促すので、甘酒は病後の回復期にもおすすめの飲み物です。

効果2. 美肌をつくる

甘酒の整腸効果は、老廃物の排出を促がして肌荒れや吹き出物を改善しますし、麹菌が発酵過程で作りだしたコウジ酸には、メラニン色素の生成を抑止する効果があります。細胞の再生を促す葉酸や、皮膚や粘膜を保護するビタミンB2なども豊富なので、甘酒を飲むと肌のターンオーバーが促進し、透明感のある美しいお肌が作られます。

効果3. 肥満を予防する

甘酒に含まれるビタミンB2やB6は脂質の代謝を高め、余分な脂肪の蓄積を防ぎます。麹菌が作り出す消化酵素のリパーゼは、皮下脂肪や内臓脂肪を分解してダイエットに貢献しますし、酒粕を使った甘酒の場合はレジスタントプロテインが余分な脂質を体外に排出してくれるので、生活習慣病を引き起こす肥満を改善する効果が期待できます。

効果4. 血圧の上昇を抑える

麹菌は米に含まれるでんぷんを分解していく中で、いくつかのアミノ酸が結合したさまざまなペプチドを作り出します。その中には、血圧を上昇させるアンジオテンシンというホルモンを抑制する効果を持つペプチドが含まれていますので、甘酒には血圧の上昇を抑える効果もあります。